第25回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会

試合結果

8月19日(木)
清水エスパルス:準々決勝戦

コンサドーレ札幌ユースU-15 0(前0-1,後0-0)1 清水エスパルス

準々決勝戦戦評

得点

【清水エスパルス】28分 宮本

メンバー

【コンサドーレ】
Gk輪島 DF青木・内山・井端・倉持 MF岡田・田代・前・安達 FW國分・蒲生
交代 76分 住吉(安達)

準々決勝VS清水エスパルスのホイッスルが鳴った。淡々とゲームは流れるが、エスパルスの攻めが2回に対しコンサドーレは1回といった感じか。コンサドーレ、最初のチャンスが訪れたのが17分。蒲生にピンポイントのパスが通る。
そのままドリブルでペナルティエリア左に持ち込み、バイタルエリアで待ちかまえていた國分へパスを送る。
國分は足下にコントロールせずに流してしまい、エスパルスデフェンスを助ける形となりチャンスをつぶす。
1次ラウンドから4ゲーム共に不動のスターティングメンバーに疲労の蓄積があるのか、うまくボールが回らない。
20分を過ぎてエスパルスに押し込まれる場面が多くなる。しかし25分、ハーフウェイライン付近でボールを受けた國分は、一瞬で振り向き、エスパルスディフェンスを置き去りにする。たまらずエスパルスはファールを犯しイエローカードが出る。
40メートル程距離はあったが、井端が直接ゴールを狙ったがゴールポストの上を通過する。
一方のエスパルスも優勢にゲームを進めているものの決め手を欠いていた。しかし26分エスパルスの右からの攻撃。
コンサドーレゴール前の人数は十分だが、バイタルエリアに入った難なくクリアできるボールだったが、うまく捉え切れずエスパルス22番宮本への好アシストとなってしまい、GK輪島も鋭く反応したがゴール右隅に先制点を決めさせてしまった。
エスパルスにはラッキー、コンサドーレは残念な失点となってしまった。それでも終了間際、倉持、岡田とシュートを打つが得点は奪えず0-1で前半を終了した。
後半が始まった。ハーフタイムのミーティングで気持ちを入れ替え、同点に追いつきたいコンサドーレだが、立ち上がりから明らかに体力の消耗が、気力を奮い立たせようとする精神力を阻止している。つらい状況ではあるが頑張って欲しい。
一方のエスパルスも疲れているのは同様で、単純に長いボールを入れて2点目を奪う攻撃に出るが、フィニッシュの精度の悪さと、GK輪島、センターバック内山を中心とした頑張りに追加点を上げることはできない。
追加点を許さず耐えているとチャンスは必ず来るもので、81分エスパルスゴールに向かうボールの処理をもたつく間に國分がボールを奪い、GKと1対1となった。同点だと誰もが疑わなかった場面だが、一瞬シュートタイミングを失い絶好のチャンスをつぶしてしまった。それでもコンサドーレは諦めず、果敢にチャレンジするするが敗戦のホイッスルが無情に鳴り響いた。昨年に続きまたもやベスト8の壁を破ることができなかった2010年の暑い夏となってしまった。

戦評 加藤 孝俊

8月19日(木)
東京ヴェルディ:決勝トーナメント1回戦

コンサドーレ札幌ユースU-15 2(前2-0,後0-0)0 東京ヴェルディ

決勝トーナメント1回戦戦評

得点

【コンサドーレ】29分 前、35分 國分

メンバー

【コンサドーレ】
Gk輪島 DF青木・内山・井端・倉持 MF岡田・田代・前・安達 FW國分・蒲生

気温26度に風が吹いて、今日の1番ピッチは肌寒さを感じるくらいの気候。1次ラウンドの猛暑日続きのコンディションとは比較にならないほど涼しい。札幌には有利と見るが、ヴェルディにとっても好条件であることは忘れてはいけない。
ヴェルディのポゼッション率がコンサドーレを上回り時間が過ぎていく。ヴェルデイキャプテン高木が、再三ゴールに 迫るが決定的な場面を作り出せない。押され気味の札幌は25分を過ぎてもシュート数は0本。
しかし、サッカーの分からないところはこんな事だと思う展開が生まれる。30分中盤で競り勝った國分が岡田へボールを預ける。岡田はヴェルディの一直線に並んだ浅いディフェンスの裏へ絶妙なパスを送る。キャプテン10番の前がタイミング良く飛び出しGKと1対1。一度はGKに弾かれるが、跳ね返ってきたボールを右足で落ち着いて押し込み先制点。
このまま1-0で前半が終わると思った37分、少々気落ちしたヴェルディが、決定的なパスミスを犯す。
ヴェルディ陣内で、ラインを押し上げる前に、縦パスを安達がインターセプト。すかさずゴール前に留まっていた國分にパスを送る。コースは甘かったが、幸運にもヴェルディデフェンスに当たったボールは國分の左足にこぼれる。ゴールに横向きになっていた体制から放たれたシュートは、ゴールキーパーから遠ざかるカーブを描きネットに吸い込まれていった。前半は2-0とリードして終了する。
後半が始まった。今日からは決勝トーナメント。負けると終わりの戦い。ヴェルディは開始早々から猛攻を仕掛けてくる。
戦評を書くにはあまりにもヴェルディの優位が続き、札幌の良さを書くことができず、ペンの動きが止まってしまった。
それほどまでに防戦一方のコンサドーレを見たことがない。しかし、個人のレベルは非常に高いヴェルディだがチームとして最後まで機能しないままゲームは終了する。内容はともかく、昨年に続くベスト8は立派な成績と評価できる。
明日は14時から清水エスパルスとの準々決勝。昨年は、今日のヴェルディ戦と全く逆の事が起こり、ジュビロ沼津に苦杯をなめたことが思い出されるが、スタジアムで行われる準決勝に是非とも進出してくれることを願うばかりである。

戦評 加藤 孝俊

8月17日(火)
鹿島アントラーズ:1次ラウンド第3戦

コンサドーレ札幌ユースU-15 2(前0-0,後2-1)1 鹿島アントラーズ

1次ラウンド第3戦戦評

得点

【コンサドーレ】51分 岡田、63分 蒲生

【鹿島アントラーズ】40分 三塚

メンバー

【コンサドーレ】
Gk輪島 DF青木・内山・井端・倉持 MF岡田・田代・前・安達 FW國分・蒲生
交代 70分 住吉(蒲生)

1次ラウンド第3戦はすでに決勝トーナメント進出を決めている両チームの対戦。しかし名塚監督は絶対に勝って意地を見せたいと表現していた。午前中に36度を超えた気温も31度まで下がり、風も吹いてきたので札幌には多少なりとも有利に働くような気がする。序盤はお互いの出方を伺いながらの攻防が続くも、フィニッシュで終わるアントラーズがやや優勢に感じる。
コンサドーレ最初のシュートは8分。青木の低いクロスに國分が頭で合わせるが力なくGKの正面。
時折見せるコンサドーレらしい中盤の歩ゼッションからサイドに展開をするが、クロスの精度を欠きシュートで終わることができない。飲水タイムが終わった19分、センターバック井端の長いボールに、アントラーズDFが 頭でGKに戻そうとしたミスに蒲生が反応、左足でがら空きとなったゴールへ浮かせたボールで先制点かと思われたが僅かに右ポストの外を通過していった。その後も田代からのスルーパスにタイミング良く飛び出した蒲生が再びチャンスを作るが、今度は左ポストの外に外してしまう。23分に一瞬ヒヤッとした場面があったが、その後はコンサドーレのペースでゲームは進む。30分過ぎにはコンサドーレ怒濤の攻め。國分が得意のドリブルでゴールラインぎりぎりまで持ち込み前、田代にチャンスメイクするが、ゴールを割ることができないまま前半を終了する。
コンサドーレ優勢に見えた前半であったが、シュート数はアントラーズ8本、コンサドーレ4本と意外なデータであった。
コンサドーレのキックオフで後半が始まった。ゲームが動いたのは4分。立ち上がり押し込まれ、立て続けにコーナーキックを与え、混戦になったボールを一旦はクリアをしたが、アシスタントレフリーがゴールインのフラッグを上げる。
失点後のコンサドーレは、猛暑日の中での3連戦で動きが重く見える。しかし、決勝トーナメント進出が決まっているとはいえ意地でも勝ちたい一戦。10分過ぎには前→岡田→青木→前と見事なパスをつなぎ、タイミング良くペナルティーエリア内へ走り込んだ田代へお膳立て。GKと1対1となり、一度ははじかれたが二度目のシュートを頭で狙ったが、僅かにゴール右上にはずれてしまう。しかしついに16分同点弾が生まれる。中央に長いボールが送り込まれ、諦めずに追いかけた 國分がボールをキープする。右サイドをサポートしていた岡田へとパスがつながり、そのままシュートを打っても良いタイミングであったが、巧みなドリブルでそのまま持ち込み、アントラーズDFをブロックしながら右足インサイドでゴール左隅に送り込んで同点とする。飲水タイムで生き返ったコンサドーレは、蒲生、國分、岡田と絶好機を演出する。
28分、今日は何度も決定的チャンスに顔を出している蒲生が、粘り腰でついに勝ち越し点を奪う。
アデショナルタイム3分が示された。このままでタイムアップでも良いが、決定的な3点目でダメを押したいがタイムアップのホイッスルが鳴った。3勝でBグループ堂々の1位通過。同時間に行っていたAグループは名古屋グランパスに敗れた東京ヴェルディが2位となり、休息日を挟んで19日11時キックオフで戦うことが決まった。

戦評 加藤 孝俊

8月16日(月)
名古屋FC:1次ラウンド第2戦

コンサドーレ札幌ユースU-15 4(前2-0,後2-0)0 名古屋FC

1次ラウンド第2戦戦評

得点

【コンサドーレ】21分 國分、24分 國分、46分 國分、66分 國分

メンバー

【コンサドーレ】
Gk輪島 DF青木・内山・井端・倉持 MF岡田・田代・前・安達 FW國分・蒲生
交代 57分 岡田(佐々木)、66分 青木(大見)、66分 國分(住吉)

予選リーグ第2戦は、8月16日 午後3時 名古屋FCのキックオフでスタート。
公式記録では、気温34.4度、湿度51%とされているが、実際の№7ピッチは35度を楽に超える状況。
コンサドーレ札幌にとっては対戦相手と共にもう一つの敵が存在した。
立ち上がりは、昨日第1戦を戦い終えていることもあり、非常に落ち着いたスタート。
しかしながら、やはり暑さの影響は前半から選手にダメージを与えており、いつものようにポゼッションが
できない。特に相手のプレスが早いわけではない。一つ一つのパスの精度が自然に落ちている様子であった。
そのような中、この暑さをみじんともしない8番岡田と9番國分の2人がゲームを引っ張る。
一方、俊足の名古屋FC9番が単独で抜けだし僅かなチャンスを生かそうとしていたがゴールにはならない。
中盤の攻防が続く中、前半21分右サイドから8番岡田が得意のドリブルでゴールライン深くまで切り込み
相手ディフェンスからうまく消えていた9番國分へマイナスのパス、9番國分はゴール左隅へ確実にシュート
貴重な先取点を決める。
弾みのついたコンサドーレ札幌は、いつものリズムを取り戻し、ボールがスムーズに回り出す、数分後の23分
中央からドリブルで切り込んだ8番岡田が相手ディフェンスを引きつけ、フリーとなった9番國分へ絶妙なパス
國分は1点目同様、左隅へ切れの良いシュートが決まり追加点をあげる。
一矢報いようとしていた名古屋FCにとっては痛い失点となった。しかし名古屋FCも意地を見せる。
前半も残り僅か、暑さから動きが鈍くなったコンサドーレの中盤へ速いチェックで一進一退。
何度か俊足の名古屋FC9番に突破されそうになるが、DF内山が壁となり自由にプレーをさせず、前半が終了。
気温は下がる様子もなく寧ろ増しているようなピッチ。選手達の目に見えない疲労感が襲っているようであった。
ハーフタイム名塚監督は、選手達に集中力を切らさぬよう、いつもより厳しい口調で指示を与え、後半戦へ送り
出した。
後半立ち上がりは、やはり暑さの影響が出始めていた。ポジション取りが一歩ずつ遅れ、ボールがキープできない。
DFラインも下がり、中盤が空く、名古屋FCも9番にボールを集める。何とかコンサドーレ札幌10番の前が
気をはく、回りを鼓舞し集中力を欠かさないように声を掛ける。そんな厳しい状況の中、またも岡田ー國分のホット
ラインから國分がシュート、名古屋キーパーの正面であったが、キーパーがこれを弾き、ボールは國分の足下へ。
國分は強烈に左足を振り抜き、46分だめ押しの3点目が入る。苦しい時間帯だけに大きな追加点となった。
直後、何も無いところで名古屋FCの選手がピッチ上で倒れる(熱中症の様子)
名古屋も暑い地域であるが、やはり今日のコンディションはコンサドーレ札幌にとって過酷であったと感じる。
名古屋も必死に1点を取りに来るが、66分7番蒲生選手から、國分へとスルーパスが通り、決定的な4点目が
入りゲーム終了。明日の鹿島戦が有利になってきたと共に、今大会2日目ではあるが、6点をゲットし、得点ランキング1位となっている國分が輝いた第2戦目となった。予選リー1位通過も見えてきた。

戦評報告 北海道クラブユースサッカー連盟 副理事長 堀 祐介

8月15日(日)
ディアマント鹿児島:1次ラウンド第1戦

コンサドーレ札幌ユースU-15 4(前2-0,後2-0)0 ディアマント鹿児島

1次ラウンド第1戦戦評

得点

【コンサドーレ】23分 田代、30分 國分、40分 田代、41分 國分

メンバー

【コンサドーレ】
Gk輪島 DF青木・内山・井端・倉持 MF岡田・田代・前・安達 FW國分・蒲生
交代 50分 住吉(青木)、62分 倉持(川井)、68分 岡田(大見)

8月15日10:30にコンサドーレのキックオフで予選リーグの第1戦目が開始された。立ち上がりからコンサドーレの4-4-2のシステムに対し、ディアマントは3-5-2のシステムとしており、サイドのスペースが大きく空く形となる。ゲーム開始直後から中盤を支配していたコンサドーレは、5分にその左サイドからビッグチャンスを作り、安達がシュート。相手GKのナイスセーブに阻まれる。その後のCKも田代がフリーでヘディングシュートを放つがゴールを外してしまう。このチャンスを逃したことが後々に響かなければと思われた。

案の定、中盤以降攻め続けるもシュートがすべて外れ、最初の心配が現実となると思われた矢先の終盤近くの23分にCKからのこぼれ球を田代が押し込みやっと先制点。じりじりとしていた雰囲気がやっと晴れた。

選手の動きにも落ち着きが生まれ、30分に岡田から國分へ渡りドリブルシュート。見事右隅に決まり2点目となる。このまま2-0で前半が終了。終盤の追加点であり、後半に向けての展開としては理想的な終わり方となった。

後半はディアマントのキックオフで開始された。小雨上がりの蒸し暑い状況となり、選手を苦しめ始めた。

しかし、後半開始5分の40分、CKから田代がフリーでヘディングシュート。見事な3点目となり、ほぼ試合を決定づけた得点であった。案の定、ディアマントは気落ちし、その1分後の41分に蒲生から國分に渡り、1人交わしシュート。右隅に決まり4点目となる。その後は、試合の勝利が確定したことによる安心感と蒸し暑い中での疲労感や次の試合に向けて主力を休ませる選手交代を行ったことからチャンスが少なくなり、お互いミスを連発しあい、時間だけを浪費する試合となった。結局、このまま追加点もなく4-0で試合終了。勝ち点3を得る。もう1方のゲームである、鹿島アントラーズ対名古屋FCは2-0で鹿島が勝ち、現時点では得失点差で1位ではあるが、リーグ戦を考えると、コンサドーレとしてはもっとどん欲に得点を積み重ねて置くべき試合であったが、入り方の難しいリーグ戦の初日を無難に勝利で終了したことは見事な戦い方であった。

戦評 船田 清