adidas CUP 2005
第20回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会

試合結果

決勝トーナメント1回戦

8月18日(木)

福島県Jヴィレッジ

コンサドーレ札幌 1(前1-1,後0-0,延0-1)2 ベルディジュニアユース(関東)

決勝トーナメント1回戦戦評

決勝トーナメント1回戦詳細記録(PDF)

ヴェルディ選手の体調不良を考慮し、一日順延となった決勝トーナメント第1戦開始のホイッスルがなった。
コンサドーレの先発はリーグ第3戦と同じメンバー。2日間の休養で、ベストコンディションとなったのか、是非ともベスト8に 進出したいところだ。そんなゲームの序盤、先制点はコンサドーレ。3分本間から鶴野へ、スピードあるドリブルで 駆け上がり、ゴール中央に高めのクロス。安藤が頭であわせた鮮やかな得点だった。
しかし、これで目が覚めたのか、すかさずヴェルディ和田が巧みなドリブルで、コンサドーレDFを抜き去り、ゴール右スミに インサイドキックで狙いすましたシュートは、右サイドネットを揺らした。立ち上がり5分で両チームに得点が入り、仕切り直し と言ったところか。ヴェルディ14分、ゴール前25メートルでFK。しかしシュートは大きくはずれる。
コンサドーレ24分打矢が前線のディフェンスでボール奪い、ゴールへ向かうがシュートまではいかない。25分にも安藤の クロスのこぼれ球を詰め切れない。コンサドーレにリズムが出ない。ヴェルディのアプローチもそんなに早いとは思えないが 落ち着いてボールポゼッションができない。単調なボールが縦へ縦へ入り、トップで溜を作ることができない。
ペースが作れないままに前半が終わった。後半から打矢に代わり古田が入った。第3戦よりも早めの交代だがベンチとしては 古田のキープ力で中盤を有利にしたい考えだろう。玉岡をワントップに据える布陣で勝ち越したいところだ。
しかし、後半立ち上がりピンチが続く。DFのコミニュケーション不足、DFライン間の不容易な横パスなどから2本のコーナー キックが続くも、何とか凌ぎきる。43分ヴェルディGKのクリアが真上に上がったところを、古田がコントロール。
ドリブルで一人をかわし、クロスを入れる。待ちかまえていた玉岡。しかし、当たり損ないのシュートはボテボテでGKの手の 中へ。その後も一進一退のゲーム展開となるが、少しずつコンサドーレのボール支配率が上がってくる。
20分左から切れ込まれクロスをあわされたが、コントロールミスに助けられクリア。46分、47分と立て続けにシュートを 打たれるが、体を張って得点を与えない。58分玉岡に代え、平井を投入して前線に活力を与える。
その直後、ヴェルディのコーナーキック。最も危険な選手の和田にピタリと照準があったが、右ポストを僅かにはずれ 守りきる。1-1のまま延長戦に入る。延長前半どちらも決めて手を欠気終了。いよいよ勝負の延長後半10分が始まる。
開始早々ヴェルディ9番佐藤が強引に左サイドを引き裂き、ゴール前にボールを送る。コンサドーレ一度はクリアをしたが 最後は点取りやの和田の前にボールがこぼれ、難なく勝ち越し点を入れる。追いつきたいコンサドーレは菅原・山崎を入れ 反撃にでる。リードしたヴェルディは追い風とういうこともあり、難しいことはせずにロングキックで逃げ切る作戦にでる。
焦るコンサドーレ、疲れが足にくる。終了間際ヘディングの競り合いから安藤が負傷退場。大地を投入するが、時間が無い。
最後は、竹内が前戦へボールを送ったところで無情のホイッスル。残念コンサドーレ、惜敗コンサドーレ。

戦評 加藤 孝俊

第3戦

8月15日(月)

福島県Jヴィレッジ

コンサドーレ札幌 2(前1-0,後1-0)0 ジェフユナイテッド市原・千葉(関東)

第3戦戦評

第3戦詳細記録(PDF)

前日の夜から降り始めた雨の為、気温31℃・湿度77%とかなり蒸し暑いコンディション。
ほぼ決勝トーナメント進出が手中にあるコンサドーレだが、ここは勝って、予選リーグ1位で突破したいところだ。
今日の先発メンバーは、今大会調子が上がらない古田に代わって、打矢が入った。早速その起用がうまく機能した。
3分熊澤から左サイドに出たボールを、打矢がすばらしいコントロールでゴールラインへと切れ込む。ゴール前で玉岡が ベストタイミングであわせたがゴールには結びつかない。しかしこのゲームのチャンスメーカーとしての活躍を予感させる 動きであった。両チームとも似たようなチームカラーだが、互いにシュートがないまま15分が過ぎた。
ジェフのコーナーキックも決め手を欠く。コンサドーレも打矢・安藤に長いパスを送り、揺さぶりをかけるが、崩すまでは いかない。16分安藤の頑張りから2本続けてのコーナーキックも生かし切れない。
ゲームが動いたのは飲水タイムが終わった直後の20分、打矢から左サイドの鶴野へのパス。ランウィザボールで 駆けあがり、やや浅めから早いクロスを入れる。ニヤサイドに飛び込んだ玉岡に気を取られたジェフDF、フォアサイドに 詰めていた安藤がゴールへ押し込み、待望の先取点をあげる。30分にもGKのキャッチミスを拾い、打矢がフリーで シュートを放つが、力みすぎて僅かにバーを超えていく。その流れでつかんだ3連続コーナーキックも追加点に結びつかない。
中盤スモールフィールドを制していたのはコンサドーレであったが、ボールを奪った後のポゼッションが収まらないまま 前半を終了。メンバー交代は無しで後半が始まった。同グループで僅かに決勝トーナメント進出の可能性がある エグゼ90は、前半0-2リードされているので、たとえ追いつかれても焦ることはない。しかし追加点を奪い1位で上がりたい。
一方、予選リーグ3勝を目指すジェフは後半開始から攻勢をかける。立ち上がり5分はジェフのペースで進むが 序序にコンサドーレが中盤を制していく。玉岡がクロスを入れると見せかけ、意表をつくシュートは惜しくもポストに 嫌われる。46分、今日チームに貢献をした打矢に代え古田を投入する。追加点は49分、右サイドから大吉がクロスを 入れる。一度はジェフGKにクリアされるが、ペナルティエリアの外から鶴野が、シュート気味のパスを玉岡へ送る。
アウトサイドに当てコースを変えたボールは、無人ともいえるゴールへ吸い込まれていった。
得点者は玉岡だが、思い切ってシュート気味のパスを送った鶴野の得点といってもいいだろう。
その後もコンサドーレのペースで試合は進み、再度玉岡がGKと1対1となる決定的な場面もあったが、結局2-0の 完勝で決勝トーナメント進出を決定した。明日1日休息日を挟んで、明後日ヴェルディとの対戦が待っている。

戦評 加藤 孝俊

第2戦

8月14日(日)

福島県Jヴィレッジ

コンサドーレ札幌 1(前0-0,後1-0)0 名古屋フットボールクラブ(東海)

第2戦戦評

第2戦詳細記録(PDF)

第1戦で痛い引き分けに終わったコンサドーレ、今日の相手は名古屋FC。この大会も含め、高円宮杯でも同グループに なることが多い、因縁の対決となった。名古屋FCは昨日の第1戦でジュフ千葉・習志野に0-1の惜敗を喫しているので 今日負けると予選リーグ敗退がほぼ決定するという大事な試合。100%勝ちに来る戦いが予想される。
コンサドーレの先発は第1戦と同じGK安田DF大吉・加藤・熊澤・本間MF浦田・竹内・安藤・鶴野・古田FW玉岡の11人。
ゲーム開始前にポツリポツリと降り始めた雨が、5分過ぎから本格的になってきた。
試合開始30秒、早速コンサドーレに絶好のチャンスが訪れる。古田の放った強烈なシュートを名古屋GKが前に落とす。
すかさず玉岡が飛び込むが得点とならず。鶴野のシュートもGKの正面。12分頃からDF熊澤、本間と続けざまに ミスを連発、冷っとする場面が生まれる。20分まではほぼ互角の戦い、コンサドーレにリズムが出てきたのはその後だった。
中盤でパスをつなぎ、ゴール前にせまりコーナーキックを得る。しかしながら熊澤のヘディングはクロスバーを超える。
26分左がらのフリーキックは、古田がねらい澄ました低い弾道のボールを入れる。スリップしたボールはフリーの加藤へ ワントラップでシュートを打つが、名古屋DFにあたり先制を逃す。たて続けのコーナーキックも得点とはならない。
前半はコンサドーレがやや優勢で終了。
両チームともに選手交代なしで後半が始まる。42分名古屋のフリーキックを跳ね返した後、活動量豊富な安藤が 左コーナーエリア付近でファウルをさそうも、古田のフリーキックはコンサドーレの平均身長を5CM上回る名古屋DFに 跳ね返される。45分中盤でインターセプトした熊澤が、前線の玉岡へ絶好のパスを送る。シュートまではいくがフィニッシュ が決まらない。均衡を破ったのは48分、名古屋FPのパスミスを安藤がワンタッチで振り向き、ペナルティエリアまで出ていた 名古屋GKの頭上を通る、40メートルのライナーシュートを名古屋ゴールへ突き刺した。
その後も名古屋オウンゴールかと思われるチャンスもあったが、追加点とは結びつかない。
逆に51分、名古屋は左から攻め込み、グランダーのクロスに合わせようとするが、GK安田が足でピンチを防ぐ。
コンサドーレは今大会に入って調子が上がらない古田に代わって打矢を投入。名古屋も2人の選手交代で なんとか流れをつかみたい。しかしコンサドーレは鶴野のロングシュート、安藤のシュートと攻め立てるがゴール前の 詰めがが甘く、追加点を奪えない。名古屋も必死に反撃を試みるが、決定力に欠ける。
そしてタイムアップのホイッスルがなった。シュート数はコンサドーレ17本・名古屋4本と、ほぼ第1戦と同じ内容。
しかしながら、昨日のゲームに比べ、少々苦戦したような感があるのは、フィニッシュの甘さだろう。
この勝ち点3でほぼ予選リーグ突破が濃厚になったが、明日の第3戦に修正をして決勝トーナメントへ進んで欲しい。

戦評 加藤 孝俊

第1戦

8月13日(土)

福島県Jヴィレッジ

コンサドーレ札幌 1(前1-1,後0-0)1 EXE90フットボールクラブ(関西)

第1戦戦評

第1戦詳細記録(PDF)

昨日の雨も上がり、さわやかな風が吹くコンディション。気温28度と今日の札幌より涼しいか。
コンサドーレ先発はGK安田DF大吉・加藤・熊澤・本間MF浦田・竹内・安藤・鶴野・古田FW玉岡の11人。
コンサドーレのキックオフで試合開始。
コンサドーレペースの試合序盤、最初のシュートは古田が放つ。
4分EXE90(エグゼ90)のゴールキックを鶴野がヘディングで返し、走り込んだ玉岡が 飛び出したGKの頭越しにあっさり先制。その後もエグゼ陣内でゲームは進む。
しかし12分ゴール正面20メートル付近で一瞬のマークのずれから、ミドルシュートで 同点にされる。GK安田も予期していなかったのか、反応が遅れた失点であった。
その後もコンサドーレのペースでゲームは進むが安藤のヘディングもバーを超える。
20分すぎからコンサドーレの動きの鈍さが目につく、反応も遅くなる。
パスミスが連続して、ややエグゼのボール支配率が高まってくる。
31分熊澤が左からオーバーラップでシュートを放つがゴールマウスをはずれる。
その後もペースがつかめず、前半を終了する。
ハーフタイム、森下監督からの指示は、もっとボールを奪いに行けだった。
その訳は、エグゼMFに140CMの選手がいて、レフリー(女子)が過剰にボディーコンタクトに ホイッスルを吹いていたので、選手たちも腫れ物に触るような対応を余儀なくされたことも 一因ではあった。
後半DF大吉に代わり打矢を投入して、得点を奪いにいく。その打矢が後半最初のシュートを 打つが、ゴールマウスをはずれる。41分左サイドから本間が駆け上がりクロス。エグゼDFの クリアボールを鶴野がコントロール、ハーフボレーを放つが僅かに右ポストの外側。
逆に42分エグゼがスピーディーにパスをつなぎ、右サイドから走り込んだ17番塩川が GKと1対1となるピンチ。しかし果敢に飛び出した安田が好セーブ。
今度は49分、左から玉岡が抜けだし、クロスに竹内が合わせるが、左足にフィットしない。
60分鶴野が中盤でボールカット、玉岡へのパス。そのままゴールラインまで切り込み フォアサイドに走り込んでいた安藤へ絶妙なクロス。決まったに見えたが、必死に戻る エグゼDFがつま先に当て辛うじてクリア。コンサドーレ絶好のチャンスを逃す。
67分またもや絶好の勝ち越し場面。ハンドで得たFKを、古田がホイッスルと同時にリスタート。
ゴール左でフリーになっていた鶴野へと渡り、GKと1対1。強烈なシュートだったが ゴールネットを揺らすことはできない。残り時間も攻め続けるが、1-1のまま 終了のホイッスル。シュート数はコンサドーレ16本、エグゼ4本が示すとおり 取りこぼしの勝ち点1であった。

戦評 加藤 孝俊